阪急電車の旧型車達

その2…雑形車(2)

 

No.28:92番

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92番+93番  1960年1月稲野付近にて
少々ブレていてお見苦しい写真で御免なさい。この電車の営業中の写真はこれしか残っていませんのであえて貼りました。
92番と93番は同じようなスタイルに更新され、晩年連結で運用されていましたので同型車と思われがちですが、ルーツは別々です。92番は前述の90番91番と同じくナデ6133形のナデ6133がルーツです。93番につきましては明日記載するとしまして、92番は90番91番と同じ経緯を辿って、90番91番が鋼体化更新になった後、昭和28年(1963年)一番しんがりに93番と伴に鋼体化更新されました。旧車の台枠を流用して阪急タイプの車体を新造しましたので、丸屋根の新型車に見えますが機器類は全て旧車の流用で、93番とのルーツの違いの影響も残っており、93番より車長が多少長く車幅が若干狭くなっています。
更新後は単行で甲陽線に入ったり、または93番との連結運転で伊丹線と甲陽線で運用されたりしていましたが、98番+99番が踏切事故で廃車になった昭和34年(1959年)からは96番+97番と伴に甲陽線専用車になり、1963年に316番+317番・318番+319番と交代して第一線を退きました。その後園田駅の留置線に暫く留置されたりしていましたが、昭和41年(1966年)12月に廃車になりました。
丸屋根になったことで天井が高くなり、車内が広々して見えたことを覚えています。最後まで両運転台のままでしたが連結側の運転台は殆ど使われる事が無く、朝の通学時には空いた運転台にもぐりこんで自分のスペースを確保したものでした。
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No.29:93番

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93番 1958年5月 西宮車庫にて
93番はホデ6107がルーツです。95番と同じ履歴ですが、鋼体化更新では一番しんがりになりました。そして92番同様台枠のみを流用しての半鋼製車体を新造していますので、ほぼ阪急スタイルに変貌しました。鋼体化後も92番とほぼ同じ道程を辿りましたが、一線を退いてからは西宮車庫で事業用車両に使われ、お陰で長生きし、1500V昇圧の際(昭和42年12月)に95番と伴に廃車になりました。
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No.30:97番

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97番+96番  1959年2月18日 西宮車庫にて 古鉄春秋氏写真
客車形改造の面影を残すこの2両の履歴も少し変わっています。1972年9月16日に全線廃止になった加越能鉄道加越線(石動〜庄川町)の前身加越鉄道の半鋼製客車ナハフ101・102を昭和15年(1940年)12月に譲り受け、従来の乗降口を乗務員用扉にして片側に二箇所ずつ客用扉を設け、履いていたTR10台車を広軌用に改造し、51形と同じGE製の65Hpモーターを4台搭載の上、デッキを運転室に改造して貫通路に内開き式扉を付けた両運転台式の制御電動車に改造して、今津線専用車として登場させました。
なぜ加越鉄道の客車が阪急にと少々謎めいたものを感じるのですが、昭和14年のノモンハン事件の敗戦、15年の中国での八路軍(中華人民軍の前身)との全面衝突と、きな臭い日本の国際情勢が軍需優先の軍事経済へと突き進み出した時期で、車両の新造がままならなかったようで、当時から余り経営状態の良くなかった加越鉄道に900形と寸法も形体も似た車両があるのを見付けて譲受を持ちかけたようです。加越鉄道も当時ガソリンカーを8両所有していたので手放したのではないでしょうか。
客車の改造車とはいえ半鋼製であったため、木造の51系に比べてかなり重い96番97番は木造車のモーターには負担がやや大きすぎたようで、アップダウンの多い今津線では加速が悪く性能的に苦しかったようです。昭和20年(1945年)に空襲で電車を焼失し神戸線専用車両が不足するにつき、モーターをはずして制御付随車に改造、900形と600形に挟まれて中間車として使用され、戦後もそのまま昭和26年(1951年)までもっぱら神戸線で活躍していました。
1951年9月900形と同じ仕様で電装、900形用の手持ちボールドウイン台車を履き、両運電動車となり、96番+97番で今津線専用車に返り咲きましたが、今津線に宝塚線から600形が転出してきたのを受けて、97番を制御付随車に改造し台車をTR10に履き替え、96番のモーターを2台に減らし、片運化した上連結面の貫通路を拡幅して幌連結二両固定編成となり、車内灯の蛍光灯試験車両として伊丹線専用車で再登場しました。98番+99番が踏み切り事故で休車になった昭和34年(1959年)からは甲陽線専用車になり、昭和41年(1966年)1500V昇圧の対象からはずれ12月廃車になりました。
甲陽線時代は316番+317番・318番+319番と共に運用されていました。
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≫阪急電車の旧型車達の目次
≫[1]…木造車(1):7番・21番・32番・復元1番・40番,
≫ …木造車(2):懐かしのP5達(1)
≫ …木造車(3):懐かしのP5達(2)
≫ …木造車(4):引退したP5達
≫ …木造車(5):55番・68番・86番・80番
≫[2]…雑形車(1):98番・99番・95番・90番・91番
≫[3]…大正の鋼製釣掛車(1)…300形
≫ …大正の鋼製釣掛車(2)…600形
≫[4]…新京阪の顔P−6(1):104番・106番・139番・109番・143番
≫ …新京阪の顔P−6(2):142番・120番・1501番・1504番・117番
≫ …新京阪の顔P−6(3):107番・118番・1526番・134番・120番
≫ …新京阪の顔P−6(4):1515番・134番・131番・107番・1522番
≫ …新京阪の顔P−6(5):114番・125番・124番・146番・1500番
≫[5]…近代電車の旗手900形(1):900番・901番・902番・905番
≫ …近代電車の旗手900形(2):913番・912番・911番・906番・919番
≫[6]…ミスター阪急 920形(1):922番・920番・953番・951番
≫ …ミスター阪急 920形(2):922番・925番・928番・958番・959番
≫ …ミスター阪急 920形(3):930番・961番・964番
≫ …ミスター阪急 920形(4):936番・969番・973番・943番・975番

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添付ファイル: fileh=028_1960^01_ck004_稲野_mc92+93.jpg 1048件 [詳細] fileh=030_1959^0218_ys021-22a-1_西宮車庫_tc97+mc96.JPG 1398件 [詳細] fileh=029_1958^05_ck011_西宮車庫_mc93.jpg 960件 [詳細]

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Last-modified: 2011-12-01 (木) 13:14:17 (2734d)